3.2.Eポンプ発熱量と水温上昇

技術資料Gの場合で発熱量を計算します。
@動力熱(圧縮熱)軸動力全てが熱に転換
(損失動力分のみが熱に転換すると誤解されることがありますが、ガスポンプの場合は、所要動力全てが熱に転換します)
軸動力は、モーター容量の90%程度だから、
   15×0.90×860=11,610 kcal/h
A凝縮潜熱
2G容積量計算で、同伴水蒸気量Qv=3.95m3/min
水の分子量 18 より 2G容積量計算を逆算すると、
同伴水蒸気量は 22.1kg/h
通常、この90%はVP系内で凝縮しますので、凝縮潜熱は
   22.1×0.90×570=11,337 kcal/h
ここで、37℃の湿り空気の場合で、凝縮潜熱が動力熱に等しくなることに御注意下さい。またこのことは、吸込容積量が略一定の範囲では、真空度に無関係であることをお確かめ下さい。45℃の湿り空気では、凝縮潜熱が動力熱の1.5倍になります。
なお、真空ポンプではガスの顕熱は蒸気の凝縮潜熱に比べて無視小です。
Bポンプ発熱量
@動力熱とA凝縮潜熱の合計がポンプ発熱量であり、
   22,900 kcal/h
クーラー循環の場合は、このポンプ発熱量が熱交換容量となります。
C水温上昇
SKH662の補給水量は、45 l/min。
従って、出入口温度差は、
   22,900/(60×45)≒8.5℃
補給水温が工業用水で Max.32℃では、排気・排水温度は40.5℃。
このように湿り空気では凝縮潜熱が大きいため、排水温度が高くなればポンプ性能に影響しますので、注意が必要です。
凝縮型真空ポンプTYVでは、補給水量を通常型VPの3倍、4倍まで増大できる構造にしているのは、この理由によります。
DJRDの熱量
スチームエゼクター直結凝縮型水環真空ポンプTYVでは、上の動力熱や凝縮潜熱に加えて、スチームエゼクターの駆動スチームの熱量も加わります。
このスチーム熱量は、600kcal/kgとして計算すれば余裕含みとなります。



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